みなさん、こんにちは!海外事業担当の鎌倉です。
早いもので、あと2日で4月です。
日本で4月といえば、新学期や新年度が始まる月ですが、カンボジアやラオスの4月は「お正月」の月です。
カンボジアで暮らしていたとき、驚いたのは、お正月が始まる日と時間が毎年変わることです。毎年、占い師によって、その年の女神が地球に降臨する日と時間が発表され、その日時が「お正月の始まり」となるのです。
カンボジアの新聞には女神降臨の時間だけではなく、その女神の性格、好きな色、乗り物、手にもっているものなども掲載されています。ちょっときつい性格の女神の場合、国が乱れる…などの予言もされます。
2023年のお正月は、 何時 何分からになるのか。どのような女神が降臨するのか。今から楽しみです。
画像出典:https://vodenglish.news/cambodias-new-year-angel-will-have-a-gun-to-protect-the-border/
ちなみに、2022年のクメール正月は4月14日(木曜日)10:00 に、女神 ケリニー・テビーが地球に到着した時間にスタートしています。
ケリニー・テビーは、右手に銛、左手に銃を持っています。髪にはモクレンの花のピンをつけており、首には、虹色のエメラルドのネックレスで飾られています。乗り物は象です。
図書館に新しい本が入ることや移動図書館を楽しみにしている児童たち
エファジャパンは、障害児が多く通う2校の小学校で「思考とスキル向上のための読書推進プロジェクト」を実施しています。
その一校であるパサイ小学校のSfong Bouachantha先生にインタビューをしました。
【事業概要】
事業名:読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト
対象校:
・サパントング・ヌー小学校:全校生徒94人(内、障害児32人)
・パサイ小学校:全校生徒55人(内、障害児17人)
Q. 小学校の先生になった理由を教えてください
A. 最初は医者になりたかったのですが、父は私が教師になることを望んでいました。学んでいくにつれて、勉強することが好きだと思うようになり、教師であることも人々を助けることができることを理解しました。
Q. 小学校の先生になってよかったと思うときはどのようなときですか?
A. 児童たちの助けになれたときです。愛情と知識を与え、彼らが成長し、成功するのを見られるのがうれしいです。
Q. 障害児の学校での様子を教えてください。特に彼らに支援が必要だと感じるのはどのようなときですか
A. 私たちの学校には、聴覚障害、視覚障害、脳の問題(自閉症)、身体障害など、さまざまな種類の障害がある子どもたちがいます。健常者の子どもの親の中には「子どもをこの学校に入れると、障害児のように行動したり、自閉症になったりする」という人がときどきいます。理解されないのは非常に悲しいことです。また、一部の教師は障害児教育についてまったくトレーニングを受けていないので、より多くのトレーニングを行いたいと考えています。
Q. 特に、障害者向けの本が足りていないことが世界的にも問題になっているといいます。こうした問題を学校生活で感じたことはありますか?
A. 障害児向けの特別な資料や本は、本当に必要です。独自に制作したものもありますが、非常に限られています。また、学校には非常に古い本しかなく、児童たちはすべて読んでしまっています。そのため、図書館に新しい本が入ることや、移動図書館を楽しみにしていますし、保護者も喜んでいます。
Q. エファは本が障害児やその家族の人生に よい影響を与えると考えています。この点について、実際の子どもたちの様子をみていて感じたことはありますか?
A. 移動図書館が学校に来ると、児童たちはとても大喜びします。そして図書館が来てからは、児童たちの考え方や勉強の仕方が改善され、記憶力が向上したり、夢を持てるようになっていると感じています。本に興味がある障害がある児童は、本を読んで絵を見て、もっといろいろなことを理解したいと思っているようです。
Q. 日本の支援者へメッセージをお願いします。
A. ご支援いただきありがとうございます。移動図書館は私たちの学校の児童にとって、とてもよいものです。もし今後可能であれば、児童たちが本の展示会のようなものに参加したり、絵を描いたりする機会があればと思っています。
Keonakone Mangkalaさん(11歳、自閉症)
Q. 学校で勉強をするのに大変なことはありますか?
A. 僕は自閉症があります。長い時間覚えることができません。
Q.本を読むことはありますか
A. 絵がたくさん載っている本は読みやすくて好きです。マンガや、勉強をするための本をもっと読みたいです。
Q. 将来の夢は何ですか?
A. 警察官になること!
Arthithan Kommamuangさん(11歳、足が不自由です)
Q. 学校で勉強をするのに大変なことはありますか?
A. 学校には、一人で通学しなければならないので、交通量が多いときなど大変なこともあります。でも、友達がカートを押してくれるときもあります。
Q.本を読むことはありますか
A. 学校には今は読む本がなくて、移動図書館が来たらとにかく読むだけです。物語の本をもっと読みたいです。
Q. 将来の夢は何ですか?
A. スパイになりたいんだ!
目標金額100万円のクラウドファンディングを開始
エファは、ラオスで「読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト」を立ち上げ、その事業費の募集を、クラウドファンディングサイト「GoodMorning」にて開始しました。
本の飢餓から子どもたちを守りたい。ラオス障害児にバリアフリー図書を
https://camp-fire.jp/projects/view/653399
期間:3月1日(水曜日)〜3月31日(金曜日)
目標金額:100万円
【事業の背景】
開発途上国に暮らす障害者が利用可能な書籍(点字、音声、大活字本など)は非常に限られ、毎年出版される本の中でわずか1%以下と推定されます。世界盲人連合(WBU)はこの状況を「本の飢餓 (book famine)」と名付けました。
エファの活動地・ラオスでも、本の飢餓は深刻です。
首都ビエンチャンの市場を調査したところ、点字、大活字本などの図書は出回っていませんでした。また、学校の校長や図書館員にヒアリングを行うと、障害児でも読めるバリアフリー教材はなく、点字・手話を支える教員がいないことも課題であるとのことでした。
このようにラオスでは、障害児がよりよく生きるための情報へのアクセスが制限されています。障害児やその家族の多くは、障害があっても自分たち子どもには権利があること、健康を害した時の対処方法、生活を守るための法律なども知りません。
こうした背景から、エファは「読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト」を立ち上げ、移動図書館活動、教材開発、教員トレーニングといった活動に取り組みます。
【事業概要】
事業名:
読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト
対象地域:
ラオス人民民主共和国 ビエンチャン都
カウンターパート:
子どもの家財団、ラオス国立図書館、Aid Children with Disability Association (ACDA)
対象校:
・サパントング・ヌー小学校:全校生徒94人(内、障害児32人)
・パサイ小学校:全校生徒55人(内、障害児17人)
【活動内容】
■ 教材(図書)の購入
子どもたちが読む図書の購入をします。
ラオスでも絵本などの出版が少しずつ行われるようになりました。出版文化を応援するためにも、市場などで販売されている本を購入し、移動図書館や図書室で活用します。
■ 教材(図書)開発
ラオスでは障害がある子ども向けの本がありません。日本で出版された障害児向けの絵本を参考にしながら、布絵本、電子図書などの開発をしてまいります。
■ 生きるための情報を伝える研修会
公衆衛生、人権など、子どもたちが生きていくうえで必要な情報を届ける、研修会を開催します。本を活用しつつ、わかりやすく説明をして行きます。研修会後は、学んだことが生かされているのか、生かされていないのであれば課題は何かを検証するためモニタリングを定期的に実施します。
■ 教員へのトレーニング
特に障害がある子どもたちにどのように教えてよいのかわからないという教員が多くいます。教員を対象に、トレーニングの機会を提供します。
■ 政策提言
本事業は、ラオスの国の施設であるラオス国立図書館と協働で実施します。
国立図書館と協働で事業を行うことで、関係省庁との会議を持つ機会をつくることができます。子どもたちの様子、現場のニーズをしっかりと伝える政策提言を行ってまいります。
クラウドファンディングを通して、ラオスのプロジェクトを安定運営するための費用を集めることはもちろん、一人でも多くの方にこの課題を知っていただき、ともに歩んでいただけることを願っています。
「社会をよくしたい」 という想いのある人をつなげたい
エファ事務局の高橋です。
改めまして、ご支援や情報拡散にご協力くださっている皆様、応援のことばをかけてくださる皆様(これがすごく力になっています!)、本当にありがとうございます。
この資金集めをどのような人がやっているのだろう?と不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
本日は、私事ながら、自分がファンドレイジングに携わりたいと思ったきっかけをお話いたします。
「私がファンドレイジングをする理由」
▼メッセージを動画でお話させていただきました(約2分30秒)
(以下の文章は、動画とほぼ同じ内容です)
大学生のとき、私は国際協力NGOに携わり、寄付集めやボランティア集めをしていました。
さまざまな社会課題について勉強し、その解決の難しさを感じていた自分。「世界は変わる」ということを、自分ひとりではどうしても疑ってしまい、信じ続けるのが難しいときがありました。
でも、活動を通じて、課題に共感して世界は変わる、明日は変えられると一緒に信じてくれる仲間を集めるのがとても楽しかったです。
初めての寄付集めは、マレーシアの児童養護施設のリフォームのために、学生3人で34万円のご寄付を集めたキャンペーンでした。
あるイベントで私が子どもたちへの想いをプレゼンさせていただいて、ご寄付をいただいたことがありました。
特に年齢層の高い方から「自分は現地に行くのは難しいけれど、こういう形で支援に参加させてくれてありがとう」と言っていただけたことがうれしかったです。
こうした経験を通して、「社会をよくしたいという想いはあるけれど、行動するのは難しい」という方と、「社会をよくしたいという想いはあるけれど、お金が足りない」という方を繋ぎたいなと考えるようになりました。
これからも、支援活動を成功させることはもちろん、それ以上に寄付をした方にも「寄付してよかった」「寄付を通して達成感を得られた、繋がりを得られた」という成功体験を持っていただくことを大切に活動していきたいです。
どうか一緒に明日は変えられるんだと信じる仲間になっていただけたらうれしいです。
ファンドレイジング担当 高橋あゆみ
身の回りの不要品が、アジアの子どもたちの支援に役立ちます
カンボジア、ラオス、ベトナムでの支援活動のために、エファジャパンでは、通年でリサイクル募金を集めております。
頂戴したご支援は、子どもたちの教育支援、生活支援に役立てています。
リサイクル品募集の対象は、本、CD/DVD、切手、ハガキ、年賀状、テレフォンカード、ゲーム、骨董品、ブランド品、懐かしのおもちゃなどなど(以下のイラストも、ご参照ください)。
身の回りの不要品が、アジアの子どもたちの支援に役立ちます!
ご寄付の方法、ご送付先などの情報は、以下のリンクをクリックすると、ご覧いただけます。
https://www.efa-japan.org/recycle/
特定非営利活動法人 エファジャパン
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