みなさん、こんにちは!事務局長の関です。2月13日から18日まで、カンボジアに出張しました。
首都プノンペン入りしてから、乱立する高層ビルに見下ろされながら宿まで移動しました。
中間所得層(世帯所得 5,000〜 34,999 US$)は、15年前と比べ13%増。そんな中間所得層が、国民の半数弱を占めるようになったカンボジアの風景を眺めながら……。
エファでとり組み始めた「障害児のためのライフスキルプロジェクト」の活動地は、首都から3時間ほど南下した 南部 カンポット州。
30年前とさほど変わらぬ当時の農村の風景が広がっています。
健康、教育、生活水準面で貧困程度と発生頻度を示した多次元貧困率は、国全体で35%、地方では40%以上。地方に暮らす人々の半数近くが、いまだ厳しい貧困状態の中にあります。
今回は 次年度の取り組みのために、パートナー団体と話を詰めることが目的でしたが(対面はやはり違う…!)、日に日に変化していく子どもたちと再会できたのが何よりでした。
日本のボランティアの皆さまにつくっていただいた 布絵本も 持っていきました。布絵本、みんな大喜びでした!
これから広げていく電子図書(マルチメディアDAISY)は、デジタルによる情報アクセスを目指しますが、ぬくもりを通して伝えていくことができる世界も届けていきたいです。
貧しさの中にあっても、障害がある中でも、自分の力で生き抜く力を身につけていける社会を目指していきたいと考えています。
目標金額100万円のクラウドファンディングを開始
エファは、ラオスで「読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト」を立ち上げ、その事業費の募集を、クラウドファンディングサイト「GoodMorning」にて開始しました。
本の飢餓から子どもたちを守りたい。ラオス障害児にバリアフリー図書を
https://camp-fire.jp/projects/view/653399
期間:3月1日(水曜日)〜3月31日(金曜日)
目標金額:100万円
【事業の背景】
開発途上国に暮らす障害者が利用可能な書籍(点字、音声、大活字本など)は非常に限られ、毎年出版される本の中でわずか1%以下と推定されます。世界盲人連合(WBU)はこの状況を「本の飢餓 (book famine)」と名付けました。
エファの活動地・ラオスでも、本の飢餓は深刻です。
首都ビエンチャンの市場を調査したところ、点字、大活字本などの図書は出回っていませんでした。また、学校の校長や図書館員にヒアリングを行うと、障害児でも読めるバリアフリー教材はなく、点字・手話を支える教員がいないことも課題であるとのことでした。
このようにラオスでは、障害児がよりよく生きるための情報へのアクセスが制限されています。障害児やその家族の多くは、障害があっても自分たち子どもには権利があること、健康を害した時の対処方法、生活を守るための法律なども知りません。
こうした背景から、エファは「読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト」を立ち上げ、移動図書館活動、教材開発、教員トレーニングといった活動に取り組みます。
【事業概要】
事業名:
読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト
対象地域:
ラオス人民民主共和国 ビエンチャン都
カウンターパート:
子どもの家財団、ラオス国立図書館、Aid Children with Disability Association (ACDA)
対象校:
・サパントング・ヌー小学校:全校生徒94人(内、障害児32人)
・パサイ小学校:全校生徒55人(内、障害児17人)
【活動内容】
■ 教材(図書)の購入
子どもたちが読む図書の購入をします。
ラオスでも絵本などの出版が少しずつ行われるようになりました。出版文化を応援するためにも、市場などで販売されている本を購入し、移動図書館や図書室で活用します。
■ 教材(図書)開発
ラオスでは障害がある子ども向けの本がありません。日本で出版された障害児向けの絵本を参考にしながら、布絵本、電子図書などの開発をしてまいります。
■ 生きるための情報を伝える研修会
公衆衛生、人権など、子どもたちが生きていくうえで必要な情報を届ける、研修会を開催します。本を活用しつつ、わかりやすく説明をして行きます。研修会後は、学んだことが生かされているのか、生かされていないのであれば課題は何かを検証するためモニタリングを定期的に実施します。
■ 教員へのトレーニング
特に障害がある子どもたちにどのように教えてよいのかわからないという教員が多くいます。教員を対象に、トレーニングの機会を提供します。
■ 政策提言
本事業は、ラオスの国の施設であるラオス国立図書館と協働で実施します。
国立図書館と協働で事業を行うことで、関係省庁との会議を持つ機会をつくることができます。子どもたちの様子、現場のニーズをしっかりと伝える政策提言を行ってまいります。
クラウドファンディングを通して、ラオスのプロジェクトを安定運営するための費用を集めることはもちろん、一人でも多くの方にこの課題を知っていただき、ともに歩んでいただけることを願っています。
あの日、目を伏せ、口を閉ざしてしまったロー君のこと
みなさんこんにちは。エファジャパンの事務局長の関です。
3月1日から1か月間、2度目の挑戦となるクラウドファンディングに挑戦いたします。活動国であるラオスにおいて、障害がある子どもたちに本を届けるため、新たな取り組みを始めてまいりたいと思います。
私が国際協力の世界に飛び込んだのは、ちょうど冷戦が終結して、経済のグローバル化が進みはじめ、地域紛争や対テロ戦争が各地で広がりはじめた頃でした。教育を通じた支援活動に取り組むため、初めて赴任したのがラオスで今から25年前になります。
山岳地帯で親元を離れ、寄宿舎に住みながら小学校で学ぶ男の子との出会いを今でもよく覚えてるのですが、彼は村に初めて開設された図書室に、だれよりも早く駆けつけて、声を出しながら一心不乱に絵本を読み続けていたのがロー君でした。彼は、対人地雷によって右足首を失ってしまい、松葉杖をついている少年でした。
その時、教室で生徒たちに将来の夢を尋ねてみると、「警察官になります」、「看護師です」、「先生!」、とみんながキラキラと目を輝かして答えてくれました。
でも、ロー君だけは目を伏せ、口を閉ざしてしまったんです。
障害があることで学ぶこともままならない、自分の人生を切り開くことさえ許されずにいる、そんな子どもたちが貧困地域の中で、なお一層困難な状況に置かれていることを知り、今でもそのことが記憶から消せずにいます。
日本でも障害がある人たちは、いまださまざまな壁に立ち向かわなければなりませんが、ラオスでは社会から忘れられた存在として扱われているのが人々の現実です。
貧しさの中にあっても、障害があっても、自分の力で生き抜く術を身に着け、自分ものがたりを描いていくことのできる社会。ラオスでも、そして日本でも実現していきたいと思っています。
情報を得て、生きていくための知識を授けてくれる本。未知の世界に向けて扉を開き、想像する力、他の人に共感できる力を育み、ときに自分の生き方や道しるべさえも授けてくれる本。私たちと一緒にこの世界を本の力で変えていっていただければと思います。
多くの方々から気持ちをお寄せくださり、ご協力していただけることを願っております。
エファジャパン事務局長 関尚士
本の飢餓から子どもたちを守りたい。ラオス障害児にバリアフリー図書を
https://camp-fire.jp/projects/view/653399
身の回りの不要品が、アジアの子どもたちの支援に役立ちます
カンボジア、ラオス、ベトナムでの支援活動のために、エファジャパンでは、通年でリサイクル募金を集めております。
頂戴したご支援は、子どもたちの教育支援、生活支援に役立てています。
リサイクル品募集の対象は、本、CD/DVD、切手、ハガキ、年賀状、テレフォンカード、ゲーム、骨董品、ブランド品、懐かしのおもちゃなどなど(以下のイラストも、ご参照ください)。
身の回りの不要品が、アジアの子どもたちの支援に役立ちます!
ご寄付の方法、ご送付先などの情報は、以下のリンクをクリックすると、ご覧いただけます。
https://www.efa-japan.org/recycle/
特定非営利活動法人 エファジャパン
発行人:伊藤道雄
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