こんにちは。エファジャパン事務局です。
1月の中旬より、来年度(2023年4月~2024年3月)の計画予算策定に入ります。
カンボジア・ラオスの両国より計画書と予算書が届くので、それをもとに来年度の計画を詰めていきます。
大切にしているのは、次の3点です。
今年度の事業をきちんと振り返ること、 適正な評価を行って、見えた課題をそのままにしないこと、 その課題解決のために何をするべきかを協議し、決定すること。
2022年より本格的に実施中のカンボジア・ラオスにおける障害児を中心とした読書推進ならびに ライフスキル向上事業では、「障害児向け教材が現地にないこと」が課題として挙げられています。
ここ1年、大きな字の絵本などを購入していましたものの、さまざまな障害に適した教材が求められています。
「ないならつくる」の精神で、教材開発を本格的に進めていきたいと考えています。引き続き、ご支援ください。
(鎌倉幸子 記)
国連が基本的人権として認める「知的自由」
1948年12月10日の第3回国際連合総会で採択された「世界人権宣言」。この第19条では「意見および表現の自由」について示されています。
日本の法務省が2018年に発行した「世界人権宣言70周年」の小冊子によると、第19条はこう記載されています。
「すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由 並びに あらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。」
国連は世界人権宣言の第19条を通じ、「知的自由」を基本的人権として示しているのです。
基本的人権が守られていない 途上国の障害児
「知的自由権」とは、制限なしにアイディアを持ち、受け取り、広める自由を保障すること。
ただ、さまざまな制約からアイディアを生み出すための情報が欠如していたり、自分に適した形で情報が送られてこないため、情報を受け取ることができない人もいます。
障害がある人が 点字、録音図書、アクセシブルな電子書籍など自分に合った形で情報を受け取れるようになることが、「知的自由権」の尊重につながるのは言うまでもありません。
ところが、出版される書籍のうち、点字、録音図書、アクセシブルな電子書籍などの形式で利用できるのは、開発途上国では障害者のわずか1%といわれているのです。
エファが展開している障害児への図書館・読書推進事業は、単に本を子どもたちに届けるだけの活動ではありません。子どもたちの「知的自由権」という基本的人権を守るためであると意識しながら、事業を展開しています。
出典:法務省「世界人権宣言70周年」(2018年)
スタディ・クラブはこんなところ
カンボジア・カンポット州の障害がある子どもたち30人が学ぶ放課後教室「チルドレン・スタディ・クラブ」。クラブに向かう道の様子、村の風景、そしてスタディ・クラブでの授業風景をご覧いただけます。
14分という少し長めの動画ですが、お時間がある時にご視聴ください。
かわいい布絵本は 国境を越えて
カンボジア・ラオスで障害がある子どもたちへの教育支援を開始したエファ。障害児向けの教材が皆無に等しい両国のため、教材の開発から進めています。
「教材をタダで欲しいわけではなく、作り方を学びたい」という現地からの声もあって、日本からサンプルとなる教材を紹介していく計画です。
その思いを受けとってくださったのが、北海道の布絵本を作るボランティアグループ「たんぽぽの会」。かわいい布絵本が、エファの事務所に届きました。
実は「たんぽぽの会」は2年前に解散をしたということなのですが、代表の方が エファの取り組みを知り、「たんぽぽの会」として以前つくったものと一緒に、わざわざ新作を作り、送ってくれたのです。
布絵本は、視覚障害を持つ子どものための「触る絵本」としてスタートしたものです。いまでは、脳や手指に障害がある子どもたちのリハビリとしても使われています。
「これらの布絵本が、カンボジアの子どもたちの手に触れてもらえることをとても楽しみにしています」というお手紙もいただいています。
今月2月13日からのカンボジア出張の際に、現地に届けます!
ご支援ありがとうございました。
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