まっしろいキャンバスに、色とりどりの未来を描くのは私自身だ。

「あの子はなにもできやしないさ」

生まれてからずっとそういわれていた

「授業についていけないから、学校に来なきゃいいのに」

とクラスメイトがからかってくる。

私を生んだお母さんも、毎日つらい言葉を聞いているようだ。

「人とは違う」といわれ、村でも、学校でも私の居場所はなかった。

「あなたの夢は何ですか」「夢を持ちなさい」と大人たちはいうけれど、私は「明日」という未来すらも想像できず、口を閉ざしてしまう。

村に、チルドレン・スタディ・クラブができた。学校が終わってから通える補習校だ。「ここでもいじめられたらどうしよう」と最初は怖かったけれど、クラブの先生が笑顔で迎えてくれた。

クラブに通うのは私と同じような辛さを抱えている子どもたちで、すぐに仲良くなった。

クラブでは、先生がわかるまで繰り返し教えてくれる。また紙の字が読みづらいクラスメイトのためにタブレットが用意されている。

いままで私にぴったりのもの、ばしょがなかっただけ

そして一緒に歩んでくれるひとがいなかっただけなんだ

自分のペースで勉強できて、「わかった!」と思う小さな成功体験が増えていくごとに、自分が強くなっていると感じられる。

自分の未来を描くのは、自分自身。

いまそれができると信じられるようになった。私にとっての大きな、大きな一歩だ。

本がつくる、キミの未来のものがたり

ぜひ、皆さんの大切な一冊を教えてください

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GREETINGS

ごあいさつ

子どもたちの未来のものがたりのために

長く続いた外国との戦争と内戦によって、家族から引き離され、感染症や心理的トラウマ、貧困の中で苦しんでいた子どもたち。この子らに生き抜いていく力を授けたい ──
2004年、エファジャパンはベトナム、カンボジア、ラオスで地域の人々とともに教育と福祉サービスの取り組みを開始しました。それから20年。多くの方々のご理解とご支援のもとで、800校に上る図書室が整備され、42万人の子どもたちが学びの扉を開くことができました。
本は、命と心の栄養です。生きていくための知識を得ることができる本、未知の世界に向けて扉を開き、想像力や共感力を育み、自分の生き方、道標さえも授けてくれる本。私たちは一冊の本がもたらす希望を信じ、活動を続けています。
2024年、エファジャパンは、「本の飢餓」を無くす取り組みに挑みます。本がつくる、子どもたちの未来のものがたり。私たちの活動にご参加いただければ幸いです。

特定非営利活動法人エファジャパン
理事長 伊藤道雄

EPISODE

私と本とのエピソード

こどもの頃 図書館で出会った一冊です。その後購入。 この絵本で手作りする喜びを教わりました。 大人になった今でも、このうさぎさんのように手芸がすきです。 時々読み返しては、あの頃の思いを思い出しています。

大人にもこどもにも、読んでいただきたい一冊です。 何でも買える時代ですが、 手を動かして、手作りする楽しさを知っていただけたらと思います。

作:西巻 茅子(にしまき かやこ)

出版社:こぐま社

「わたしのワンピース」 Kiriko(50代)

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