今年2月、エファジャパンでは自治労岡山県本部のご支援により、ベトナム・ハイフォン市の農村部にあるフンティエン村に障がい児教室を新たに設置しました。ここはハイフォン市の中でも貧しい村の一つで、外部からの支援もなく障がい児の活動の場が限られていたことから、ハイフォン市が設置場所として選定しました。登録している子どもは33名で、運動障害や斜視等の視覚障害など、軽度~中程度の障害を持っており、学齢期の参加者の7割が学校に通っています。担当は元幼稚園園長のチャン先生。幼稚園に障がい児も通っていたことから障がい児教育に関する研修も受けた経験があります。
教室開始から約2ヶ月経った4月に週1回の活動の様子を確認したところ、チャン先生は子ども達の反応に気を配り、一人一人に注意を払いながら丁寧な進行で、お絵かきや歌、ゲームや工作、身体を使った活動などを行なっていました。この教室に13歳の娘を通わせている母親のウオンさんは「娘は聾唖で、勉強について行けないので小学校までで通学をやめました。普段は家に居て特に何をしている訳でもありません。こうして定期的に教室に来て、他の子と遊んだり色々な活動ができて嬉しく思います」と話していました。
障がい児教室の活動は、学校に通っている子ども達にとっては授業と重なる部分も多いため、学校とは違う経験ができる場として、今後活動の質の向上が求められます。また、ひとり親や共働きが多い貧困家庭では、子どもの送迎のために定期的に仕事を休むことが負担になるという声もありました。障がいの程度で活動日を分け、頻度を下げつつ内容を充実するなど、より良い活動方法も検討していきたいと思います。