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2011.10.04 更新

カムワン県で洪水被害にあった村の子ども達に文房具を配布

8月中に振り続けた雨により、ラオスでは中南部の広範囲な地域で洪水の被害が出ました。その中でも、カムワン県の被害が最も深刻で、約20万の人達が洪水の被害に遭っています。そこで、エファジャパンは9月中旬にカムワン県で事前調査を行った結果、カムワン県の中でも大きな被害が出ており、貧困地域でもあるマハサイ郡とグノムマラト郡の6つの村の小学校6校(内1校幼稚園との併設校を含む)と中学校1校、計7校の子ども達812人を対象に文房具を配布することにしました。

これらの村の中には洪水により民家が流された家もあり、全ての村で田畑が壊滅状態で、多くの家畜が死んでしまいました。その結果、村人達の収入源はなくなり、保護者らは子ども達の文房具を十分に買い揃えることが難しく、これらの学校では、十分なノートや鉛筆もないまま授業を受けている子ども達が多くいました。また、ラオスの学校は9月から新学年が始まるため、今が子ども達に文房具を配布するのに適した時期と考え、今後1年間子ども達が文房具を買わなくても勉強し続けられるだけの量として1人当たり、ノート20冊、ペン10本(幼稚園児と小学1年生は除く)、鉛筆10本、消しゴム3個、色鉛筆2ダースを696人の子ども達に配布しました(残りの116人は、再び降った雨のため、道が悪く届けられなかったため、後日カムワン県教育局を通して配布してもらう予定です)。

文房具を受け取った子ども達は嬉しそうで、渡すこちら側もそれにつられて笑顔になっていきました。一方で、嬉しそうにしている子ども達を見ると、その背景にある今回の洪水の被害や貧困といった外的要因が、子ども達の学ぶ権利を奪わないために、できることをしなければいけないと強く感じさせられました。

子ども達は文房具を受け取ったことで、今回の災害の厳しい環境の中でも、少なくとも勉強をする意欲を失わずにいてくれるようでした。

最後に、今回印象に残った出来事を一つ紹介しておきます。

グノムマラト郡のある小学校着くと、同じく文房具を配布する予定だった隣村の小中学校へは、近日降った雨により再び洪水に見舞われ、文房具を持ち運ぶのは不可能ということが判明しました。そこで、どうすべきか、エファジャパンの職員と同行していた教育局や情報文化局の職員の間で、話し合いをしていました。すると、なんと隣村の小中学校の子ども達が、どこからともなく歩いてこちらに向かって来ます… 子ども達に話を聞くと、なんと川を泳いで渡ってきたとのこと! びしょ濡れの服を着たまま、立って待っている子ども達の姿を見ていると、さすがに心を打たれました。文房具は持って帰るのに濡れないか心配でしたが、そこは背の高い年長の人に運ぶのを手伝ってもらえば大丈夫とのことでした。今回、このような支援ができて本当に良かったと思えた瞬間でした。 (活動国ラオスより)