ベトナム独立戦争時、ラオスにはアメリカ軍によって大量の爆弾が落とされました。それらの爆弾は UXO (不発弾)として今なおラオスに多く残っており、現在のペースで除去作業が続いた場合、ラオスからUXOがなくなるまで後100年はかかると言われています。UXOによる死傷者の数は毎年300名近くに上り、その半分が子どもと言われています。死傷者の多くは、野原で遊んだり、山で食材を探したり、家計の足しにとUXOの鉄屑を採取している時に、UXOに触れ爆発し、被害に遭っている地方の村人です。
そこでエファジャパンは、自治労大分県本部のご支援を頂いて、UXOの危険性を村人に理解してもらうために、カムワン県とシェンクワン県でピアエデュケーション(同じ立場にいる人達同士でメッセージを伝える)などの手法を取り入れた啓発活動を行ってきました。今回はその啓発活動の一貫として、政府の不発弾対策機関NRA(National Regulatory Authority)の協力の下、UXOの危険性を訴えるTシャツ2000枚(子ども用1000枚、大人用1000枚)を作成しました。Tシャツにプリントされている絵の事例は、UXOの被害に遭う時の典型例であったり、UXOからの効果的な被害防止に繋がるとされている事例です。
ラオスには着る服も十分にない村もあります。今回作成したTシャツを村人に配り、自分自身や他の村人達が着たりすることで、村人たちはTシャツにプリントされている絵を互いに何度も目にすることになります。そうすることで、UXOの危険性や、UXOに対して取ってはいけない行動或いは取るべき行動が、必然的に村人達の頭の中に刻まれていくことでしょう。 (活動国ラオスより)