自ら声を上げることができることが難しい子どもたち、とりわけ障害があるがゆえに取り残されていく子どもたちの存在に目を向け、彼らが自からの力で生き抜く術を身につけていくために必要な教育のかたち、学校や地域、家族のあり方を問うた一年となりました。
2024年には、オンラインとICT(情報通信技術)を活用し、誰しもにとってアクセシブル(利用のしやすい)な図書や教材を開発していくのが目標です。
12月中旬から今年最後となる活動現場を訪問してまいりました。カンボジアの放課後スタディクラブ、ラオスのインクルーシブ教育を実践する小学校で、障害がある子どもたちが隔たりなく学び、遊んでいる姿が瞼の裏に焼き付いています。
学校に通うことはおろか、家からも出れないまま暮らしている子どもたちも多い中で、健常児と一緒に、変わらずに歌い、跳びはねて、人前で表現している彼ら、彼女たちの姿。一人ひとり障害は異なり、伴うハードルがあるのですが、友だちであったり、先生であったり、周囲の人々の”意識”の在り方次第で、そのハードルは低くなり、ときにとり払われることさえあるのです。
教授法、教材教具、教員研修もまさにこれからです。私たちエファもその一助となる取り組みを行ってまいります。そして、支援する立場になるのみでなく、活動先の先生、生徒たちからも真に包摂した教育や社会とは何かを学びたいと思います。日本のみなさんにそのような側面もお伝えしていけるようがんばってまいります。
すべての子どもたちが可能性と創造性を発揮し、「自分ものがたり」を描ける社会に。
来年もどうぞエファとともに歩んでいただきますようお願いいたします。
事務局長 関 尚士