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2010.06.01 更新

子どもは国の竹の子です ~カンボジアの未来のせんせいたち~

カンボジアの首都プノンペンには、国内で唯一の国立幼稚園教員養成学校があります。ここには全国から幼稚園の先生をめざす20歳前後の若者が、寮生活をしながら訓練生として幼児の保育・就学前教育を学んでいます。

彼らの中には、地方の貧しい農村から、家族が畑を売って費用を作り入学してくる訓練生も少なからずいますが、在学中の費用負担に苦しみ中途退学する例が後を絶ちません。就学前の保育・教育は、特に貧困など困難な状況にある子どもにとって、その後の就学や学習の助けとなる重要な要素であると国際的にも考えられており、訓練生は卒業後故郷の就学前教育に貢献することが期待されています。しかし、より人材が必要な地方ほど育成が難しいという悪循環に陥いりやすい現実があります。

エファジャパンでは、そうした退学を防止するため奨学金事業を実施しています。2009年10月から奨学金を受けているドラティーさんは25歳。実家は農家で、もしこの養成学校に来ていなかったら農業をしていただろうと話します。

「卒業したら家族のところに戻って先生になります。子どもは国の竹の子です。将来大きな竹に育って国を支えます。だから、私は一生懸命子どもを世話して、勉強を教えたいと思います。」

訓練生の多くは、自分が先生になって農業だけでは生活が苦しい家族を助ける、という経済的理由から先生をめざしていますが、同時に、子どもの教育が国の未来につながるという認識も十分あり、自分がそうした職業に就くことを誇りに思っています。奨学金事業を継続・拡大するため、エファジャパンでは「ようちえん募金」を実施しています。