ラオスの首都ヴィエンチャン特別市にある国内最大級の図書館、ヴィエンチャン市立図書館・多目的ホール。ここから月に4回、本をいっぱい入れた図書袋を積んで、職員2人がバイクにまたがり出かけていきます。行き先は、図書館から遠い村の小学校。半日しかない授業をその日は全て移動図書館のために空けて、本が来るのを待っています。
出版が非常に少ないラオスでは公共の図書館や学校図書館が脆弱で、子ども達はなかなか本を読む機会がなく、文字学習にも影響が出ていると言われています。そこで、一般の本に加え絵本や児童書を数多く揃えた子どもが楽しめる図書館として、2006年にヴィエンチャン市立図書館がオープンしました。以来、毎日300人が来館し、その9割以上が高校生以下の子どもです。建設から関わってきたエファジャパンは、司書経験の無い職員の研修や定期的な蔵書の購入、延長開館の経費などを継続して支援しています。
図書館がオープンして3年目の2009年夏、より多くの子ども達へ本の楽しみを届けるため、支援の一環として移動図書館を始めました。一部の学校には50~60冊の本が入った図書箱が置いてありますが、それすらも無い他の多くの学校では移動図書館が唯一本に触れる機会です。集まる子どもは70人~250人くらい。子ども達の母親や村人が混ざっていることもあります。
移動図書館では、子どもたちが思い思いに本を読む時間の他に、もっと本に親しめるよう読み聞かせやゲームなども楽しみます。
子どもたちは
「新しいお話を聞けて楽しい。読み聞かせの時間をもっと増やしてほしいです。」
ととても楽しみにしている様子。
移動図書館に来ていた母親の一人は、
「これまでこのような活動はなかったので、移動図書館が来てくれるようになって喜んでいます。子どもたちがいつも本を読めるように、学校に図書室を作って欲しいと思います。」
と言っていました。
村人も本の持つ力を実感し、子どもにもっと読書する機会を与えたいと考え始めているようです。