「卒業したら故郷に帰って幼稚園の先生になります。子ども達のためにたくさん教材を作りたい」
2年間の訓練期間を終え、学んだことを糧に社会と家族に貢献したい、と期待に胸をふくらませる未来の先生の言葉です。
自治労がカンボジアの首都プノンペンに設立した「カンボジア子どもの家」は、1997年の開所以来、同国唯一の国立幼稚園教員養成学校とその付属幼稚園として、幼児教育の充実と推進を担ってきました。幼児教育は、特に貧困などの不利な状況にある子どもにとって、その後の発達や学習に必要な基盤を作る大変重要な要素であると国際的にも認められています。
エファジャパンでは、近隣のスラムからこの幼稚園に通う幼児と、地方の貧しい農村から全寮制の養成学校に学ぶ学生に奨学金を支給しています。地方からの学生は、卒業後地元に戻って教員となり、幼児教育を普及することが期待されています。しかし、これまで経済的に苦しい家庭出身の学生が、生活費に困窮し中途退学する例が後を絶たなかったことから奨学金事業を開始。2007年10月からの2年間は自治労和歌山県本部の支援を受け、2008年度は幼児30人、学生25人に奨学金を出し、この夏全員が無事に卒業しました。
スラムから通う園児には、入園当初は通園を嫌がったり、集団に溶け込めない、不潔といった子どもが多かったようですが、次第に幼稚園を楽しみ、協調性も豊かに成長し、基本的な生活習慣も身に付けています。
2009年10月からは、エファジャパンの自己資金により奨学金を支援しています。現在「ようちえん募金」も募集中です。カンボジアの幼児教育の充実にぜひご協力ください。