現在、エファジャパンはラオス図書館協会の運営機能強化をめざした支援を行っています。日本にも日本図書館協会があるように、ラオスにも2007年にラオス図書館協会が設立され、図書館・図書室の設置、指導、助言、調査など、ラオスの図書館関連の総合的な業務を行うことが期待されています。
ラオス図書館協会のメンバーは、理事長である前ラオス国立図書館長のコンドゥアン女史を始め、ラオス国立大学中央図書館長や司書の資格を持つラオス国立図書館の職員など、ラオスで随意一の専門性を有しているメンバーから成っています。しかし、ラオス政府からの支援はほとんどなく、財政不足などの理由から、実質的には図書館協会としての機能を果たしていませんでした。
そこで、昨年の10月からエファジャパンはラオス図書館協会の支援を開始しました。今回は、6月25日にラオス図書館協会とラオス国立図書館が共同で開催した件名標目表(図書館での本の情報検索で使われる語彙を集めて規定し作った表)の使い方に関する研修の実施を支援しました。研修には9つの県から公共図書館の職員など計45人の図書館関係者が集まりました。
今回研修で扱った件名標目表は2010年10月からラオス図書館協会とラオス国立図書館がUNESCOの支援を受けて作成に取り掛かり、今年の4月に上下刊(上刊969ページ、下刊896ページ)を作成し終わったところです。これが、ラオスで初めてのラオス語の本のための件名標目表となり、ラオス中の図書館が使うことで、ラオスの図書館間のネットワークが醸成され、他の図書館にある本も検索できて見つけやすくなります。
しかし、ラオス図書館協会とラオス国立図書館はこの件名標目表を作成したものの、その使い方をラオス全国の図書館関係者に教えるための研修を開催する資金がなく、エファジャパンがその開催を支援することにしました。今回の研修では、ラオス図書館協会理事長のコンドゥアン女史やラオス国立図書館長のボウンラート氏らが講師となり、件名標目表の使い方を説明した後、ラオス語の本のリストを研修生達に渡し、実際に件名標目表の使い方を実践してもらいました。
研修終了後、研修生達には件名標目表が贈呈されました。研修生達は自分達の図書館などに件名標目表を持ち帰った後、今回の研修の成果を他の職員に伝え、ラオス中の公共図書館が同じ件名標目表を使うことで繋がっていくことが期待されています。 (活動国ラオスより)