2008年5月にビルマ(ミャンマー)のイラワジデルタを襲ったサイクロンの被災者は240万人以上、死者・行方不明者13万8千人超、負傷者2万人弱といわれています。
エファジャパンは、被災者救援のパートナーとして、日本のNGOブリッジ・エーシア・ジャパン(BAJ)を選び、自治労関係者からの救援カンパ金を託しました。BAJを選んだ理由は、以下の通りです。
①1995年からビルマ国内で、技術協力を中心とする開発事業を実施しており、多数(約150人)のビルマ人スタッフを擁している。軍事政権下で外国人の移動が制限されても、ビルマ人スタッフが活動できる。
②国連機関との連携事業も行っているため、国連機関との調整がスムーズに行える。(通常、途上国で大規模災害が発生した場合、国連機関が緊急援助の調整を行う)
③ビルマ人スタッフの多く(約6割)が専門技術をもっており、復興に直接貢献できる。
④1993年から98年にかけて、自治労現業局および国際局が、ベトナムに日本の地方自治体から提供を受けた中古パッカー車を47台送った際、BAJが協力した。
エファジャパンからBAJには、8月13日までに10,398,313円を送金しました。
災害直後の緊急援助段階では、物資の配給が主な活動でした。5月30日までに、BAJは被災地の住民に以下の物資を配りました。
・ボトル入り飲料水(1リットル) 13,294本
・ろうそく 15,000本
・石けん 3,750個
・雨よけシート 959枚
・インスタント・ラーメン 3,780袋
・ビスケット 2,861個
・食用油 800本
・食塩 800袋
・衣類 465枚
被災から約4カ月経過し、支援活動は、緊急物資配給から、通常の暮らしを取り戻す復興に替わりました。大人たちは生計活動に、そして子ども達は学校に通い始めています。
被災地の住民は、稲作を中心とする農業や漁業に従事しています。今回のサイクロンでは、多くの耕耘機や揚水ポンプ用のエンジン、またボートのエンジンが高潮のため水に浸かり使用できなくなりました。多くの技術者をかかえるBAJでは、被災地の村々で、移動修理所を開設し、エンジンの修理を行いました。2008年5月20日から9月15日までに修理した数は、335台です。この活動は、被災民の短期間での生計回復に大きく貢献しました。
被災した地域では学校が約4,000あり、屋根が飛んだり、半壊や全壊の学校がその半数くらいと予想されます。BAJは2008年6月より支援地区をエヤワディ管区の2地区、ミャウンミャ・タウンシップとモールミャインジュン・タウンシップに絞り、学校の修復・再建活動を開始しました。この2地区では、サイクロンで約360校が被害を受けました。BAJは、2008年中に25校以上について、校舎の新築、屋根・壁・ドア・窓の修理、トイレの建設、机やイスの提供を実施する計画です。
事務局長の大島が9月11日から14日まで、BAJスタッフの案内で復興事業の現場を視察しました。詳細は下記のリンク先をご覧ください。
今後、自治労本部が集約した救援カンパ金もBAJに託し、復興事業を継続します。子ども達が通うための安全な学校校舎の建設や、他団体が実施していない農業用・漁業用エンジン修理活動の遠隔地への拡大を支援する予定です。