ベトナム・ハイフォン市には、1995年に自治労が設立し、2004年からエファジャパンが支援を引き継いだ児童保護施設「ニエムギア子どもの家」があります。ここを、子どものためのソーシャルワークセンターに改編したい、とハイフォン市からの連絡を受けたのが2010年5月。それから、建物改築の計画や保護されている子ども達の処遇などについての確認はしていたものの、具体的な進展がないまま2年が経過していました。
エファジャパンではこの間、子どもの家改編後のベトナム支援の方向性を関係者と共に協議。ハイフォン市から要望を受けていた障がい児に対する支援について、その必要性と、エファジャパン及び自治労が貢献できる可能性を検討した結果、ベトナムでの支援の対象を障がい児中心にシフトすることに決定し、障がい児教室への支援を開始しています。
そしてこの8月、突然の通知により、子どもの家閉鎖が8月15日を期限として実施され、残っていた保護児童3名は市のホアフン孤児院に移されました(うち1名は手続き中)。20年近く前に始まった、保護者の養育を望めないハイフォンの子ども達の保護事業は、ベトナム経済の振興や行政機構の発達などの社会状況の変化もあり、行政が自らの責務としてそれを行なう本来の姿に近づきつつあると言えます。一方、障がい児を支援する行政サービスはほぼ無きに等しく、大きな課題を抱えていることはベトナムの関係者も認識しています。
今後エファジャパンは、障がいを持つために教育からも地域社会からも切り離されている子ども達のため、福祉サービスの構築や保護者への支援を実施していきます。それに伴い、障がい児支援については、ハイフォン市労働傷病兵社会局(福祉局)と調整しながら進めていくことになるため、エファジャパン事務局長大島、自治労本部国際担当特別中央執行委員の佐藤氏が現地入りし、エファのベトナム駐在員と共にベトナム側の関係者と会合しました。