ビルマ(ミャンマー)は世界の最貧国のひとつであり、軍事政権により民主化運動を弾圧され人々は自由に仕事に就くこともできません。多くの人々が軍事政権から迫害を受け移住労働者や難民として他国へ逃れています。
ビルマとの国境地域、タイのターク県メソトに位置するパラミ・ラーニングセンターはビルマからの移住労働者を親にもつ子どもたちの学校および寮として、FTUB(ビルマ労働組合連盟)により1999年から開校されています。現在2ヵ所に施設を構えるパラミ・ラーニングセンターですが、その一方が家主により売却されることになりました。その施設は幼稚園や保育園、またパラミに通う生徒や先生たちの女子寮を兼ねています。残り続けるもう一方の施設敷地内へこれらを移転するに伴い、2011年2月より自治労大阪府本部がパラミにおける就学前教育支援を実施することになりました。エファジャパンは現地との調整役としてこの事業に参加します。
1月19日~24日、事務局長の大島と職員の高田がこの施設を訪問し、そこで学び生活する就学前の子どもたちと保護者の状況を視察しました。
パラミは小・中学校のほか保育園と幼稚園を運営しており、保育園には80名、幼稚園には130名以上の子どもたちが通園しています。保育園では3~5歳、幼稚園では5歳以上の子どもたちが学んでいます。ビルマ語・タイ語・英語と算数を勉強し、筆記テストも受けて一生懸命に学んでいます。
クラスでは堂々と発言し、わき目もふらず集中してノートを取る子どもたちですが、遊びの時間は大暴れ。女の子も男の子も元気いっぱいに体を動かしてぴょんぴょん跳ね回っていました。先生たちは厳しく、またやさしく子どもたちを温かく見守り育む努力をしています。先生との約束を守り従いながら、時に甘える子どもたちの様子に、相互のコミュニケーションがうまく働いていることがわかりました。
保護者とのインタビューでは、多くの家庭で両親が夜まで働いており、家族で過ごす時間が限られていることがわかりました。母親たちは子どもとの時間が少ないことを残念に感じていますが、一緒に宿題をしたりご飯を食べたりと様々な工夫をしていました。
これらの子どもたちが安全に、安心して学び生活できるよう支援を実施していきます。