エファジャパンでは、カンボジアのスラムで実施している寺子屋教室について、保護者や子ども達の教育に対する意識が醸成されてきた2地域の教室を終了し、公立学校入学促進と入学後の勉強をサポートするソーシャルワーク活動に切り替えました。これは今年7月に実施した調査の結果、公立学校編入のための準備施設であり、授業内容が小学校低学年程度に留まる寺子屋教室は役割を終え、公立学校入学促進のための啓発と、不利な状況にある子ども達の中途退学の大きな原因となる学習の遅れに対する支援へ、この2地域での事業を転換する時期に来たと判断したためです。
ソーシャルワーカーとしてスラムに入るのは、エファジャパンと寺子屋教室を共同運営しているカンボジアの市民団体SCADPの児童保護施設で育った大学生3名です。全員が奨学金を得て大学でソーシャルワークを専攻しており、うち2名はエファジャパンが奨学金を支給しています。彼らはSCADPが立てた計画に従って活動し、家庭訪問週10軒程度、クメール語・算数・英語の補習教室(現在開催場所を検討中)、スラム住人との会合(月1回)、スラムの清掃活動(月1回)を当面実施する予定です。
ソーシャルワーカーとして地域に受け入れられるまでにはまだ時間がかかると思われますが、じっくり住人と関わりながら、補習教室や公立学校編入(入学)時の入学金免除手続きなどでスラムの子ども達をサポートし、子ども達の公立学校通学促進をめざします。このソーシャルワーク活動には、携わる学生3名が、将来SCADPを担う職員となるための人材育成の効果も期待しており、社会人の65%程度の報酬を支払い、責任を持って活動するよう見守ります。