Efa************************************************************
エファ通信110号
**********************************************************japan
みなさま
NGOで情報発信の仕事をしていると、
業界用語の扱いにしばしば悩むことになります。
特に、一般的な日本語と用法が違う上に
上手く(簡素に)言い換えるのが難しいものがあります。
「アクセス」はその典型的な例で、
一般的な日本語では「交通の便」
コンピューター関連では「情報の呼び出し」
というような意味で使いますが、
国際協力用語としては物理的な交通の手段だけでなく
「何かを得る(へたどり着く)手段や機会や環境」
の意味で使われることのほうが多い言葉です。
「教育へのアクセスがない」といった具合に使い、
この場合は「教育を受ける機会が無い」
と言い換えることもできますが、
「アクセス」に含まれる「諸々の条件・状況」
のニュアンスは失われてしまいます。
(ま、重要でないと言えばそれまでですが:笑)
先日は、「未就学児」でひっかかりました。
日本では学齢に達していない幼児を指しますが、
国際協力・開発の世界では
学齢に達していて就学していない児童に対しても
使われる言葉です。
エファジャパンのように基礎教育と就学前教育の
両方について活動していてそれを分けて表現したい時に
言い換えが必要になってきます。
(大抵は分けて表現することを諦めます:汗)
学齢期には不就学・非就学という言葉もありますが、
外国籍の子どもで日本の学校に学籍が無い場合から
広くは引きこもりの子どもまで含むなど、
一般に知られていない上に定義は流動的なようです。
そもそも、日本で「未就学児=幼児」なのは
学齢期の子どもは就学しているのが前提であるという
社会的な認識が定着しているからなのかも知れません。
私達の言葉や考え方は自分が住む社会や文化に
どうしても縛られてしまいますが、
そうした違いを越えて相手を理解することができる表現を
常に考えていきたいと思っています。
(宮)
■■目次■■
○おしらせ○
・古本リサイクル募金始めます!
○主な動き○
・書き損じハガキでラオス支援
・カンボジア出張報告
・ベトナム駐在員帰国報告
・地方自治研究全国集会に出展
・ベトナム活動報告
・ラオス活動報告
○ちょこっトピック○
・ベトナム 奨学金を受けた子どもへのインタビュー
○寄付情報○
○会員情報○
◆◆◆お知らせ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆古本リサイクル募金始めます!
———————————-
エファジャパンでは、古本買取店・嵯峨野株式会社との提
携により古本リサイクル募金を開始することになりました!
古本を嵯峨野株式会社に送付することで、買取価格がその
ままエファジャパンへの寄付になります。嵯峨野株式会社か
らエファジャパンへ入金され、寄付額(買取額)は嵯峨野株
式会社から寄付者ご本人へお知らせします。古本以外にも、
CDやゲームなども買取の対象となります。5点以上で送料無
料。電話で集荷や梱包用のダンボールも請求できます。
11月中の開始を予定しています(現在Webページを準備中で
す。中旬くらいになると思います)。送付方法などはWebペー
ジをご覧ください。紙の資料をご希望の方はエファジャパン
事務局までご請求ください。準備が出来次第お送りします。
これから年末に向けて処分する書籍などありましたら、ぜ
ひご利用ください。
▼▼▼活動報告▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
◆書き損じハガキでラオス支援
——————————-
昨年度の書き損じハガキで、ラオスへの支援を実施しまし
た。
今回の支援先はセコン県にある少数民族学校。貧困などの
理由で学校への通学が難しくなってしまった子ども達が、寄
宿生活を送りながら中学・高校の勉強ができる学校です。こ
この約440人の生徒達に、制服のズボンとスカートを寄贈しま
した。
ここの生徒には、入学時に1着制服が支給されますが、追加
で替えを買うお金が無いため、皆その1着を大切に着ています。
しかし数年経つと傷むのは避けられず、木の床や地面に直接
座ったりすることもよくあるため破れているのもよく見かけ
るということでした。
これからも引き続き書き損じハガキの収集にご協力をお願
いいたします。
◆カンボジア出張報告
———————-
カンボジアでは10月から新学期が始まります。9月末にプノ
ンペンを訪問した際、新年度の寺子屋教室支援に関して、パ
ートナー団体であるSCADPと打合せを行いました。プノンペン
市内のスラムの子ども達を対象に始めた事業は6年目、隣県カ
ンダールの村の寺子屋とプレアビヒア県の国境地帯の寺子屋
支援は2年目になります。支援する寺子屋教室の数は23、登録
児童数は1000人を超えます。最低限必要な学用品を登録児童
全員に配り、教室には教材を支給、プノンペンとカンダール
では教員の給与の全額、プレアビヒアでは給与の一部を保障
するのが支援の主な内容です。国立幼稚園教員養成学校に聴
講生として送った2名の教員は卒業して、プノンペンとプレア
ビヒアの寺子屋で教えています。全ての子どもの教育を受け
る権利を実現するため、今後も支援を拡大していく予定です。
◆ベトナム駐在員帰国報告
————————–
ベトナム駐在員の崎川が9月23日~10月3日の間一時帰国し、
支援者の方々へ事業報告などを行いました。
最初に訪問した自治労大分県本部では、2年間に渡りラオス
のカムワン県とシェンクワン県で実施したUXO(不発弾)啓発活
動をご支援頂きました。この活動により、21の村で計4,000人
近くの子ども達に、UXOを発見した時の対処法やUXOの危険性
を伝えることができたことを報告しました。
自治労佐賀県本部では、ラオスのルアンパバン県のCCC(子
ども文化センター)を長年に渡りご支援頂いてきました。今回
の訪問では、過去2年間に実施したルアンパバン県の郡(県の
一つ下の行政区分)のCCC支援で、新たな郡CCCの設置や活動用
具の支援をしたことなどをお話ししました。
自治労広島県本部では、今後ラオスの図書支援を検討され
ています。そこで、現在のラオスの図書全般の現状をお話し
し、今後の支援をどのように進めていくかについて話し合い
ました。
現在、自治労東海地連からは、ヴィエンチャン市立図書館
の運営費をご支援頂いており、今年7月に行われたラオスのス
タディツアーでは、ヴィエンチャン市立図書館にも視察に来
られました。今回の自治労東海地連への訪問では、その時の
感想を基に、今後の運営支援のあり方、計画について話し合
いました。
これらの訪問で頂いたご意見、ご感想を今後とも現場で生
かせるよう、エファジャパンとしても努力してまいります。
皆様、お忙しいところ時間を割いていただき、ありがとうご
ざいました。
◆地方自治研究全国集会に出展
——————————
10月19日から21日まで神戸市で開催された第34回地方自治
研究全国集会で、活動紹介のブースを設置しました。自治労
の定期大会や中央委員会と異なり、一般組合員の参加が多く、
エファの知名度の低さを実感しました。今後は、組合員の方
々と直接つながる活動を検討していきます。
◆ベトナム活動報告
——————–
自治労栃木県本部のご支援では「アジア子どもの家奨学金
基金」として支援金をベトナムの銀行口座に預金し、毎年金
利(約9%~14%)から得られる利息を奨学金として子ども達に
支給しています。奨学金の支給対象となるのは、ハイフォン
市で経済的に困難な状況にあるにも関わらず、優れた学業成
績を収めている子ども達です。今年は9月27日に奨学金の授与
式がハイフォン市のオペラハウスで開かれ、ベトナム国内外
の支援団体や企業と伴にエファジャパンも参加し、ハイフォ
ン市の子ども達に奨学金を支給しました。今回の授与式では、
「アジア子どもの家奨学金基金」から112人の子ども達に奨学
金が授与されることが発表され、その内25人の子ども達が授
与式に出席し、奨学金を受け取りました。自宅から授与式の
会場が遠く出席できなかった87人の子ども達には、後日、各
地区・村の行政機関を通して奨学金が手渡される予定です。
近年のハイフォン市の物価の上昇に加え、「アジア子どもの
家奨学金基金」の運営がハイフォン市政府によって適切にな
されていることから、今後はエファジャパンも「アジア子ど
もの家奨学金基金」の増資を行っていく予定です。
○関連情報・写真
・ハイフォン市の困難な状況にある子ども達に奨学金を支給
https://www.efa-japan.org/?p=7943
◆ラオス活動報告
—————–
10月7日、自治労青森県本部の皆さんが研修ツアーでラオス
の首都ヴィエンチャン都を訪問されました。ヴィエンチャン
都では、ラオス図書館協会、ヴィエンチャン市立図書館、自
治労新潟県本部のご支援により設立されたタトーン村コミュ
ニティ図書館を視察されました。ラオスの図書館支援を検討
されているということで、皆さん真剣な表情で視察されてい
ました。
10月11日には、ラオス南部に位置するセコン県の県CCC(子
ども文化センター)を訪問し、活動用具の寄贈を行いました。
セコン県CCCは、エファジャパンが2009年11月~2010年11月の
間、日本外務省のNGO連携無償資金協力を得て設立・運営の支
援を行ったCCCです。本事業終了後2年近くが経ち、現状視察
と活動用具の寄贈を兼ねてセコン県CCCに行ってきました。建
物や活動用具は設立当時と変わらず丁寧に使われ、掃除も行
き届いている様子でしたが、エファジャパンの支援が終了し
てからは運営費が減少し、活動の数も少なくなっているとい
うことでした。今後は、セコン県CCCからラオス政府に運営費
支援を積極的に呼びかけていく予定です。
○関連情報・写真
・セコン県CCCの現状を視察、活動用具を寄贈
https://www.efa-japan.org/?p=7959
■□■ちょこっトピック■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■ベトナム 奨学金を受けた子どもへのインタビュー
—————————————————
今号のベトナム活動報告で、「アジア子どもの家奨学金基
金」からの奨学金授与についてご報告しました。今回は、昨
年奨学金を受けた子ども達のインタビューをご紹介します。
●スアン(仮名・11歳・女子、SOS孤児院)
父親は病弱で働けず、母親は彼女が1歳の時に亡くなりました。
3歳からSOS孤児院で暮らしており、現在17歳の姉も一緒です。
-奨学金は何に使いますか?
将来大学に進学したりパソコンを買うために母(寮母)に預
けて貯金しています。
-何の科目が好き?
算数。算数で良い点を取ると嬉しいから。
-何をしている時が楽しい?
国内の旅行がしたいです。まだドーソン(ビーチ)しか行っ
たことがないので…。あと、母(寮母)の料理の手伝いをす
るのが好きです。母は私達の面倒をよくみてくれるので感謝
しています。
-将来の夢はありますか?
学校の先生になりたいです。
-奨学金を貰ってどう思いましたか?
とても嬉しいです。頑張って勉強します。
●ホア(仮名・14歳・女子)
両親は離婚しており、母と2人暮らしです。母親の収入は生
活ぎりぎりでとても苦しいようです。
-奨学金は何に使いますか?
学校へ納めるお金(教材ほかの諸経費)を払うのに使おうと
思っています。
-昨年は奨学金を貰いましたか?
貰いました。学用品を買うのに使いました。
-今欲しいものはありますか?
学校に通う自転車が欲しいです。(学校は3km離れている)
-やってみたいことはありますか?
ハイフォン市以外の場所に行ったことがないので、全国を
旅行してみたいです。
-将来の夢は?
医者になって母や祖母の面倒をみてあげたいです。母や祖
母は今厳しい状況で私を面倒みてくれているので。
-奨学金を貰ってどう思いましたか?
とても嬉しいです。感謝しています。
▼△▼寄付をいただきました▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
2012年9月27日~10月24日確認分
一般寄付(用途を指定しない)計\50,000
・ハイム化粧品
ようちえん募金 計¥22,500
・個人 2人
●●●会員情報●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
敬称略。2012年9月27日~10月24日に登録の方
※HPへの掲載は省略
****************************************************************
特定非営利活動法人エファジャパン メールマガジン「エファ通信」
〒102-0074 千代田区九段南3-2-2 九段宝生ビル3F
Tel: 03-3263-0337 E-mail: info@efa-japan.org
URL:https://www.efa-japan.org
発行人 イーデス・ハンソン 編集担当 宮原朝香